[のじのじ先生ブログ]『和製英語からの脱却』
日本人の英語力を調べてみたら、2017年のTOEFLテスト結果では、日本はアジアの29ヵ国の中で何と27番目となっていました。1位シンガポール、2位インド、3位パキスタンで、28位がタジキスタン、最後の29位はラオスです。北朝鮮にも抜かれています。北朝鮮と韓国は11位でした。
第二次世界大戦後に奇跡的な経済発展を遂げて、GDPで世界第3位にまでなった日本が、何故国民の英語力が世界標準に届かないのでしょうか。おそらく次のような理由があるのでしょう。
(1) 実際に正しい発音で自由に英語力を駆使できる本物の英語教師が少ない。
(2) 歴史的に列強からの植民地化を免れ、日常生活で英語を話すことが出来なくても幸福に暮らせる環境を維持してきた。
(3) 日本人は自分の意見を積極的に発信することを遠慮し、謙虚さを美徳とする考えを持っている。
(4) 日本人は間違いを犯すことを恥と思い、間違いを恐れる傾向がある。
(5) 日本人だけにしか通じない和製英語と言う日本語が存在する。
そこで、日本人特有の性質を変えるには時間が必要ですが、(5)の和製英語からの脱却は、直ぐに始めることは出来ると思います。これを実行しないと、いつまで経っても日本人の英語力は上達しないのではないでしょうか。実際の英語発音はどうなるかをいくつか紹介します。カタカナ表記をするに当たって、強めアクセントのところは、太文字にして、Vのバビブベボは、ヴァやヴィのように「ウ」に濁点を付けています。
日常で使う外来語の中での典型的な間違いの例:
日本語 英語
ノートパソコン ラップトップ コンピューター laptop computer
シャープペンシル メカニカル ペンシル mechanical pencil
ボールペン ボールポイントゥ ペン ball-point pen
アンケート クエッショネアー questionnaire
ホッチキス ステイプラー stapler
ガードマン ガードゥ guard
アフターサービス カスタマー サーヴィス customer service
クーラー エアーコンディシャナー air conditioner
ドライヤー ヘアー ドゥライヤー hair dryer
パーカー フーディー hoodie
バックミラー リア―ヴューミラー rearview mirror
ハンドル スティアリング ウイール steering wheel
ゲームセンター アーケイドゥ arcade
リサイクルショップ セカンドゥハンドゥ ストー secondhand store
モーニングコール ウエイカップ コール wake-up call
フライドポテト フレンチ フライズ French flies
クレーム コンプレイントゥ complaint
フリーサイズ ワン サイズ フィッツ オール one-size-fits-all
スキンシップ フィジィカル コンタクトゥ physical contact
キーホルダー キーリング、キーチェイン key ring、key chain
コンセント アウトゥレットゥ outlet
コンプレックス
インフェリオリティ・コンプレックス inferiority complex (劣等感)
スペリオリティ・コンプレクッス(反対語) superiority complex (優越感)
レンジ マイクロウエイヴ microwave
ペットボトル プラスティック バトー plastic bottle
ホース ホウズ hose
リップクリーム チャップ スティック chap stick chap はひび割れ、あかぎれ
ビニール ヴァイヌル、 プラスティック、 vinyl、 plastic
ホース ホウズ hose sweater
コインランドリー ローンドゥラマットゥ laundromat
ビタミン ヴァイタミン vitamin
アレルギー アラジィ allergy
エネルギー エナジィ energy
次に、国名や都市名の実際の英語発音は、どうなっているでしょう。
先ず、イギリスですが、実際にはイングラン と発音します。イギリスは、ポルトガル語読みのイングレスの日本語訛りです。インを太文字にしているのは、そこを強く発音する必要があるからです。または、ユーケイと発音しても良いでしょう。United Kingdom の頭文字を取ったUKです。正確に言えば、United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland が正しい国名ですが。ギリシアと言っても、誰も分かってくれません。グリースと言えば、ほとんどの外国人は理解してくれるでしょう。この辺の国名はニュースでも良く登場するので、多くの学生が正しい英語発音を知っていると思います。では、次の発音は、どこの国だと思いますか? リスエイニアという国です。これは、日本の世界史や地理の教科書では、リトアニアと書かれています。第二次世界大戦の時、ユダヤ人の命を救った日本国外交官の杉原千畝が赴任していたバルト三国の一つの国です。米国や欧州の学生とこんな歴史的な出来事について議論する時に、国名ですら知らなかったら、議論にもなりません。国際情勢のニュースでウクライナと言う国名が出てきますが、これも英語ではユークレインが正しい発音です。
また、太平洋の南に多島群のミクロネシア連邦共和がりますが、正しくはマイクロネージア連邦共和国です。どういう訳か、この単語だけ、日本人はミクロと発音して国名にしてしまいました。マイクロフォンもミクロフォンとは言いません。マイクロバスもミクロバスとは言っていません。世界的IT企業の雄であるマイクロソフト社も、誰もミクロソフト社とは言いません。
まだまだあります。アフリカにケニア共和国がありますが、正しくはケンヤです。あるいはケニャです。
英語スペルは、Kenya です。若い国王夫妻が数年前に日本を訪問し、話題になったアジアの小さな王国であるブータン王国は、ブターンが正しい発音です。ブーではなく、ターのところで伸ばします。
有名な都市の一つであるアテネを正しい発音で言えますか? 本当の発音は、アスンズですよ。その東にある美しい海はエーゲ海ですが、これもエーゲ・スィーではありません。正しい発音は、イジーアン・スィーです。スイスにあるジュネーブはどうでしょう。正しくはジャニーヴァです。このように全く違う発音なのですね。
国語辞典に載っているカタカナ語は立派な日本語であり、現在使われている本当の英語ではありません。英語の発音では、どうなっているか確かめて注意しないといけません。日本語とは大きく違っている発音の国名と都市名を紹介します。
日本語と発音が違う国名の例:
日本語 英語
イギリス イングラン England 本来は、UK = United Kingdom
オランダ ネザーランズ Netherlands 又は ハーラン Holland
Holland は、元々北海沿いの県の名前です。
ギリシア グリース Greece 但し、本当の国名は、Hellenic Republic
ベルギー ベルジャム Belgium
スェーデン スウィードゥン Sweden
イタリア イタリ Italy
ドイツ ジャーマニ Germany
チェコ チェック Czech
ポルトガル ポーチュガル Portugal
スイス スイツァーラン Switzerland
ウクライナ ユークレイン Ukraine
キプロス サイプラス Cyprus
イラク イラック Iraq
ヨルダン ジョーダン Jordan
イスラエル イズリアル Israel
トルコ ターキー Turkey
ブータン ブターン Bhutan
タイ タイラン Thailand
シンガポール スィンガポー Singapore
グルジア ジョージャ Georgia
ブラジル ブラズィル Brazil
アルゼンチン アージェンティーナ Argentina
エクアドル エクアドー Ecuador
ベネズエラ ベネズウエイラ Venezuela
エジプト イージップ Egypt
ケニア ケンヤ Kenya
ミクロネシア マイクロネージア Micronesia
リトアニア リスエイニア Lithuania
日本語と発音が違う都市名の例:
日本語 英語
ペキン(北京) ピーキン Peking 又は、ベイジン Beijing
パリ パリス Paris
ローマ ロウム Rome
ミラノ ミラン Milan
ナポリ ネイプルズ Naples
ベネチア ヴェニス Venice
プラハ プラーグ Prague
ミュンヘン ミューニック Munich
チューリッヒ ズーリック Zurich
ウィーン ヴィエナ Vienna
ジュネーブ ジャニーヴァ Geneva
モスクワ モスコウ Moscow
ワルシャワ ウォーソー Warsaw
アテネ アスンズ Athens
これらだけでも知っていると、明日から外国人と会話をする時に、役に立つのではないでしょうか。
以上