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[のじのじ先生ブログ] 『ドライブ・レコーダーを英語でなんと呼ぶ?』

自動車の事故映像を解説する英文記事を読んでいる時に、気付いたことがありました。そこで、今回は、最近必ず自動車に取り付ける機器についての話です。


TVニュースで視聴者から寄せられたドライブ・レコーダーの動画を良く見ることがありますね。運転中の自動車の前後の映像を記録したものですが、米国では一般的にこの装置のことを dash cam と言います。drive recorder でも正しい英語として使われますが、一般的にはdash cam と言います。そして、その映像を dash cam footage と言います。


dashdashboard のことで、車の運転席の前にある計器類とその上部を指しますね。

良く「駐車券はダッシュボードの上に置いておいて」と言いますから。 でも、その計器類の辺りの部分を、「急に走り出す」の dash と「板」の board が一つになって、dashboard と何故言うのでしょうか? 

実は、dash は他動詞では「(物を)はね飛ばす」「(液体を)はね散らす」、自動詞では「急に突進する 」「飛び出す」の意味ですが、それが「飛び散る」の意味でも使われ、そして、「水が飛び散る、泥が飛び散る」の意味に変化していきました。ここで言う dash は「泥が飛び散る」の意味です。 つまり、昔、自動車が発明される前、乗り物と言うのは馬車でした。馬の手綱を捌く御者(ぎょしゃ)は、馬の脚が撥ねた泥が座席に被らないように、座席の前に泥よけの板を差し込みました。それが、dashboard です。現代の車社会になっても、運転席の前にある板のことを、そのままdashboard と言っている訳です。このように、本来は泥よけ版なのですが、今ではそこに速度計などの計器類が沢山付いていますので、計器盤と訳されています。ところで、「ぎょうしゃ」は、御者または馭者と書きますが、若い人にはこの言葉の方が分からないでしょう。馬車の運転手のことです。英語では、coachman とか driver と言います。今では、女性の御者ならcoachwoman と言わないといけません。コーチと聞くと、バックなどで有名なあのCOACH を思い浮かべますが、確かに昔風の馬車がロゴになっていますね。


今度は、cam ですが、これは camera を短くしたものです。つまり dashboard の上部に設置したカメラ のことですね。


footage は、足には関係なく、映画フィルムで画像の一枚の単位を、実はfootage と言います。

元来は映画フィルムのフィート数や長さを表わしていました。昔の映画の長いフィルムには、カギをひっかけて回転するように上下に四角い穴が横にずっと並んでいて画像を映す一枚一枚の四角い枠が無数にありました。あの一枚を footage と呼ぶようになりました。今は「映像」「画像」の意味で使われています。

では、ついでにもう一つ。

カーナビは英語で何でしょう? そう、car navigation ですね。カーナビの英語は、car navigation system あるいはcar navigation deviceで良いと思います。でも、米国での日常会話では、全く違う言い方で、サットゥ・ナブと言うのですよ。正式には、satellite navigation system (衛星を使ってのナヴィゲーション・システム)と言いますが、それを短くして、sat-nav、 satnavと言います。古い英和辞典には載っていませんが、4、5年前に発行された新しい英和辞典にはきちんと satnavで正しい英単語として載っています。カーナビと言っても、ネイティブには通じません。少なくとも、カー・ナビゲーション・ディバイス と言わないといけません。でも、口語では、サットゥ・ナブ で通じるのです。テクノロジーの進歩でドンドンと新しい英単語が出てきますね。英語の勉強は一生ものです。


最後に、自動車に関係する英語で、日本人が間違える代表的なものを6つ紹介しましょう。多くの日本人は、これを正しい英語と思っているので、ネイティブには全く通じません。主に米語であることも付け加えておきます。


日本語         英語

バックミラー  rearview mirror    リアビューミラー

フロントガラス windshield     ウインドシールドゥ

ハンドル   steering wheel   ステアリングウイール

クラクション    car horn カーホーン 

*クラクシンのklaxon はそれを作った製造会社の名前です。

ガソリン     gas ガス

パンク      flat tire    フラットゥタイヤ


ちょっと関連する英語表現の例文も参考までに書いておきましょう。


「ガソリンが無くなってきた。ガソリンを入れないといけません。」

I’m running out of gas. I need to get some gas.


「パンクしました。」

I’ve got a flat tire.


「左の前輪タイヤがパンクしました。」

The tire of the left front wheel went flat.


または、「破裂する」の動詞のburst を使って、

The tire of the left front wheel burst. 


今回は、ドライブ・レコーダーを始めとする自動車に関する英語のお話でした。 

では、また次回のブログをお楽しみに。


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